「はぁ〜あ……。」






色めき渡ったこの大都会とは、うって変わった曇った声が上がった。





空に届かんばかりの高層ビル、鮮やかに輝くネオン、交差点は自動車と人で溢れかえりその騒がしさを物語らせる。





その雑踏の中、一際瞳を引くのはこの時期ならではの催しであった。

【St.Valentine's day】
一、2月14日 PM10:48
彼の少年の纏う衣のような鮮やかな赤色の横断幕に、黄金色に彩られた“St.Valentine'sday”の文字。

そう、世間は“バレンタイン”一色に染まっていたのだった。

女のコ達は、その可愛らしい瞳をキラキラと輝かせながら、店頭に並ぶ綺麗にラッピングされたチョコに
一喜一憂していた。






そんな光景にどこか疎外感を感じながら、ふうっと溜息をつくと突然肩を叩かれた。






「ねぇ!かごめはもう、あの不良の彼氏にチョコあげたの??」






真剣な面持ちで、かごめを囲んで歩いていた三人はその歩みを止めた。
一人の世界に完全に入り込んでいたかごめは、三人の視線に怯んでしまった。






「な…何よ。いきなり…。」






いきなり核心をつかれた…






とも言えなくない言葉にぎこちない返事を返したせいだろうか、三人のうちの一人…由加がおそるおそる
かごめの顔を覗きこんだ。






「ちょっと…その反応…まさか、まだあげてないなんてコト…」
「……」
「だって、あんた。今日が何日か分かってるの!?しかも、もうこんな時間なのよ!」
「……」
「…ケンカでもしたの??」






沈黙は金…






と世間一般的は使われるが、この場合…その意には全くそぐわない。
そぐわない…と言うより、全て的を射ている為だ。






現在、時刻はPM.10:48。
日付はもちろん2月14日。
…バレンタインである。
そして、場所はいわずと知れた“現代”のとある街中。






「どうりであたし達について来たと思った。あんたずっと様子もおかしいし…」
「……」






丁度2時間前程であったか、かごめに電話をしたのは。






今日はバレンタインとは言え、彼氏もいなければ、特に渡したい人がいるわけでもない三人は、学校帰り
よりずっと一緒に遊んでいた。
世間のバレンタインの旋風を弾き飛ばす程の勢いに乗り、買い物やいつものバーガー店でのおしゃべり…
そのノリでカラオケにまで繰り出したのだった。
上がりに上がったテンションで、電話をした先はかごめの自宅だった。






始めは、バレンタインの報告を聞くため…噂の彼と一緒にいるだろうかごめを冷やかしたい気持ちも多少
なりともあったのだが…。
しかし、電話越しで聞いたかごめの声は、妙にうかれた感じだった。
そして気付けば、かごめもこの場にいた…というのがコトの状況であった。






カラオケ店に現れたかごめは、どこかハイテンションでいつもの笑顔を振りまきながら
一緒に盛り上がっていたのだが、店を出るとこの有様。
口数も次第に減っていき、表情もどこか寂しげなのだ。
そんなかごめの様子に気づかないワケもなく、三人は意を決して核心を突いてきたのだった。






「行きなよ。」
「え…?」
「そうよ。かごめちゃん行った方がいいよ。」
「ほら、かごめ!早く早くっ!!」






三人は次々にかごめの背をぐいぐいと押しやる。






「ちょっと!あんた達っ!!」






強い口調と力強い背を押す力に、少々抵抗を見せるが、それを許さぬ6つの瞳が突き刺さった。






「何があったかは知らないけど…」






「今日は、女のコの“大事な日”なんだから…」






「ビシッと決めてきなさい!」






「……」






抵抗を見せてた肩がゆっくり下がると、かごめは三人に向かって振り返った。






「ごめん!あたし…ちょっと…」






「「「いってらっしゃい!」」」






振り返った先に見えるのは、3つの笑顔…






「いってきます!」






手を大きく振りながら、かごめは夜の街へと走り出した。











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【St.Valentine's day】

え〜……。
めっちゃ中途半端の序章中の序章です。。。
続きはすぐ?UP出来たらと思います。
(…かなり弱気な発言ですみません)
即興で作っているので、ストーリーもへったくれも無い感じですが…

乞うご期待!! …はご遠慮下さいね(><)


更新日時 H17.2.12Sat.23:50

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