何気ない動作から、貴方は私で遊ぶ手段を見つけ出す












他愛ない言葉から、貴方は私で遊ぶ言葉を見つけ出す












貴方のその笑顔は反則です












誰が何と言おうとも反則なんです



















〜お題[Shout]より 1,なんでそこでその笑顔なんですか!それ反則です!〜
【笑顔と反則】




















自分の目の前にいる貴方。
何日ぶりくらいだっただろう。









貴方の姿を見るのは。

貴方の声を聞くのは。

貴方の香りを感じたのは。









ようやくスケジュール手帳が適度に埋まるようになった自分とは大違いなのに、今はそんな忙しい貴方が近くにいる。
手が届くところにいる。
なんとも言えない不思議な感覚。









「もっとも…よく眠っていらっしゃるんだけどね」









私の膝の上で、小さな寝息を立てながら眠っている貴方の顔を覗きこむ。









ここは、眠っている貴方の楽屋。
とある番組の収録で、私も共演することになっている。










正確には、私がレギュラーで出ている番組に貴方がゲスト出演するのだけど……

本当は自分の楽屋もあるけれども………










貴方に呼ばれたので、私はここにいる。
マネージャーの社さんは、「時間になったら呼びにくるから、ごゆっくり」なんて、
如何にも意味深な表情を残して、さっさと何処かへ行ってしまった。









私はもう一度、眠っている貴方の顔を覗きこんだ。









「“枕がないと眠れない”ってファンの人が聞いたら…どうなるのかしら?」









眠るその顔から視線をずらして、真っ白な天井を見上げながら、その様子を想像してみる。
天下の敦賀蓮がそんな爆弾発言をしたら…一体どうなるのだろうか?









“イヤぁぁああああ!!そんな蓮は蓮じゃないわぁぁあああっ!!!”









それとも









“そんな蓮も素敵!いつでも私が枕になってあげる!”









うーん…
個人的には前者なんだけど。









「このヒトの人気は異常だから、後者の方が多そうだわ。………考えるだけで怖い」

「何が“怖い”の?」









思いもかけないところから問いかけられた私は、はっと自分の膝を見下ろす。
吸い込まれそうな黒曜石の片瞳に自分の顔が映っていることに気がついた私は、気恥ずかしい気持ちでいっぱいになり胸が跳ねた。









「お、起こしちゃいましたかっ!?」
「いや………起きたんだよ」









横向きだった身体をゆっくり回転させて、仰向けになった貴方。
膝の上で動かれたのでむず痒かったが、そんな無粋なことは言わない。
寝不足気味だと言う貴方に、少しでも眠るようにと言って膝を貸したのは私なのだから。









「それで、何が怖いの?」









同じ質問をもう一度繰り返された私は、さてどうしたら良いものかと考えたが、相手は敦賀さん。
誤魔化しが通じる相手でもないし、特に誤魔化さなくても良いので思ったままを話した。









「…………そうなったらきっと、多くの女性が名乗り出るだろうなって思って」
「ふーん。そういうもの?」









あまり興味がなさそうな返事。
いつも思うが、貴方は自分がものすっごく人気があって、世の女性の憧れの的である自覚はないと思う。










少しくらいあるかと思ってたけど、おそらくは皆無に近い。

こうしてそばにいれば自ずと分かってくる。










もったいないな………と思いつつも、ちょっとホッとしている自分が不思議だった。









「それの何が怖いの?」
「だから、それだけの女性が“我が我が”って名乗り出している光景が怖いんですよ」









想像するだけで身震いがする。
普通の男性なら喜ぶのかもしれないが、何しろ貴方は普通のカテゴリーに収まる男性じゃない。










感覚がズレている。それも、かなり…。









芸能界でも圧倒的な人気を誇り、他の追随を許さない“敦賀蓮”
きっと自分が想像している以上の光景になるのだろう。
そう考えると身震いでは済まない。むしろ恐怖を感じる。









「君は相変わらず面白いコトを言うね」









いえいえ。
全く自覚のない貴方の方が、よっぽど面白いですから。
どこまでも他人事のように話をする貴方が、ある意味じゃ羨ましいですよ。









さて、もう少し突っついてみようかしら?
いつもいつも、私は貴方に遊ばれてばかりなんだから、それくらい許してくださいね?









「これなら安心ですね」
「何が?」









貴方の瞳に映った私が、意地悪そうに笑む。









「枕がなくてもいつでも眠れるじゃないですか?“眠いな”って一言つぶやくだけで寝床は確保されますよ」









そして貴方は、キョトンとした瞳を私に向けた。










うん。中々いい反応。









だけどそれも一瞬だった。
瞬きひとつの間に、貴方の顔にはいつもの余裕の笑みが宿った。









「それじゃ、俺が“眠い”って言ったら、いつでも君が来てくれるんだね?」
「はい?」









“私が来る”なんて一言も言ってませんよ?









たった一言で立場は逆転。
今度は私が目を丸くする番。









貴方は私に向かって、とても意地悪そうな笑みを浮かべた。









「俺は、枕か君の膝以外では眠れないからね」
「なっ………」









何を言い出すんですか!?貴方ってヒトはっ!?









衝撃によって開いた口が塞がらない私は、抗議の声さえも出せなかった。









「あ、信用してないだろう?その顔は」









信用できるワケないじゃないですか?
そんな悪戯な笑みを浮かべている貴方の言葉なんて。









「今言ったことは本当だよ?」
「!?」









私が思ったことが分かってしまったのか、貴方は意地悪そうな笑みを消して真剣な目で見つめる。
そして今度は、優しくて柔らかい笑顔を私に向けた。









なんでそこでその笑顔なんですか!それ反則です!









結局、私は貴方には勝てないんですね………









そんな笑顔を見せられたら………









「私は、もう何も言えませんよ………」
「それはつまり“是”と取っていいのかな?じゃあ遠慮なく、そうさせて貰うよ」
「えっ、待っ………」
「ありがとう」









そして貴方はにっこり微笑む。









待ってください!
私は、ただちょっとだけ呟いただけです!
………というか、うっかり声に出しちゃっただけなのに!









「それじゃ、俺は眠いからもう少し寝るよ」
「あ、ちょっと…敦賀さん?」









その一言だけ残して、貴方はまた少しだけ身体を回転させた。
今度は私の身体の方を向いて、再び眠ってしまった。

私は楽屋に備え付けられている時計を見る。









「出番までそんなに時間ないけど………」









貴方がそう望むのなら。





























ねぇ、敦賀さん?










いつも遊ばれている気がするのは私の気のせいですか?
なんだかんだ貴方のペースに巻き込まれている気がしないでもないんですけど?









でも、本当に悔しいですけど………










そんな自分が嫌じゃないんです。

私、そんな自分が嫌じゃないんです。









貴方のことも










どんなに意地悪されても嫌いになれないんです









貴方の顔を見るとほっとするんです









貴方の香りは心地いいんです









貴方の温もりは温かいんです









こうして私は、また貴方のペースに流されていくんですね










私の行き着くところは何処なんでしょう?









 

できるなら、見捨てないでくださいね?









貴方が私を呼んだら









きっと私は









貴方の傍に行くと思いますから


















































Fin

 









































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【あとがき】


めっさ久しぶりのお題小説v
ほのぼのですvvやっぱり私はほのぼの向きなんでしょうvv



と言いたいところなんですが、コレ書いたのは随分昔なんですよね(汗)
記憶も彼方の大昔〜v今更ながらに更新v



ここのところ毎日更新してますが、明日は更新できるかな?
帰省予定なので、無理かも……




作成 2007/12/05
更新 2008/06/27 19:52

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