【最高の魔法】

「あ…」




「一体あいつは何なんだ…?」









先ほどまで対峙していた、あのコに付きまとっていたVIE・GHOULの一人
…名前は、ええっと“レイノ”だっけか?
あいつは一体何者なんだろう?









『敦賀蓮は偽名だろう?』









そう。確かに偽名。でも、芸能人なんて本名か芸名かで活動するものだ。
そんなのは、二分の一の確立で当たる。









けど、あいつは確か…こう言いかけた。









『あんた…昔は、どう見ても外…』















“どう見ても外人”














多分、そういうつもりだったんだと思う。

両親と社長を含む、本当にごく一部の人間しか知らない、俺のトップシークレット。










初めて会った男が、なぜあんな事を言うのか…甚だ疑問だ。









「まぁ、確かに俺は日本人じゃないけどね…」









出身は米国。
本名はクオン…“久遠”だ。
本当は、髪の色だって黒髪じゃない…。









正直あの時は、あのコをただ護りたい気持ちばかりで、あいつが言った言葉の意味なんて考えてなかった。
最も、すぐ後にあいつがあのコを呼び捨てになんかするから、あのコの言葉さえ聞いてなかったけど…









「今思い返すと、大人気ない…よな。やっぱり…」









ふうっと大きな溜息を吐く。
ふいに昔のことを思い出した。自分がまだ“久遠”だった頃のこと。









京都であのコに出会った。
俺とは違う綺麗な黒髪、黒くて大きな瞳、明るい声、沢山の笑顔…
そして…沢山の泣き顔…









出会って一番最初に言われた言葉。














『あなた妖精??』














顔をぱぁっと明るくさせて、瞳を輝かせて、無邪気に笑うその様を今でもよく覚えている。









とても優しくて、明るくて、いつも誰かの為に一生懸命で…

でも、とても泣き虫で…









きっと笑顔と同じくらい、泣いた顔も見た。









あのコが俺にとっての“日本の女のコ”だった。

短い間だったけど、あの時間は幸せだった。









あの森に行けば、あのコに会えたから。

俺が弱音を吐いた時、あのコは自分のことのようの泣いてくれた。










自分だって辛い思いをしていただろうに…

あのコが泣いても、俺はただ話を聞くだけしか、そばにいることしかできなかった。














だから、アレを渡したんだ。














別れのあの日。
やっぱり泣いたあのコに、ずっと大事にしてたアレを渡した。









あのコが少しでも多く笑顔でいられますように…と願いをこめた。

そして、最後にとびっきりの笑顔を見せてくれた。










「再会した時は、面影もなかったから、まさかあの時のあのコだと思わなかったな…」









不破尚に復讐を立てていた彼女。
再会した彼女の髪は栗毛色に変わってた。










誰からの愛も信じない…そんな感情を瞳に宿していた。









変わってしまったんだと思ってた。









でも、本当は違ったんだ。

あのコは、何も変わってなかった。









よく笑うところも、よく泣くところも、メルヘンちっくな思考も、誰かの為に一生懸命なのも…









一番大事なものを失くしていたけれど…

アレを今でも大切に持っててくれた。









“お守り”だと。









そう、あの頃のように笑って…









“コーン”を想って泣くあのコを抱きしめた後に見せてくれた









あのコのお守り









それを見たときは、どうしようもなく嬉しくて

もう少しで

俺は誓いを破るところだった









あの石がいつでも、どこでも

あのコの支えになっていることが















嬉しかった














『壊れているか…自分でこの世を去ってる』














もし、俺があの頃のまま動けなくなっていたのなら…

アイツの言葉通りになったのかもしれない









けど、俺は“敦賀蓮”として生きている














もう














あの石の魔法はいらない














俺はもう














ずっと














ずっと














昔に手に入れていたから














何よりも














温かくて














優しい














魔法には




























あのコとの出逢いが














あのコの笑顔が






















最高の魔法
















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【あとがき】


蓮さん視点第二話。



かなり管理人の妄想込みですが、
原作イメージ第一に書いたものです。



しかし、書いたのはずっと前。
…開設当初だったりします


難しいですが、やっぱり楽しいのでv
次はどんなものにしようかな?



作成 2007/11/05
更新 2007/12/04

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