【ひらり、ひらりと】




























〜 Scene.2 とある少年 〜




















さて、ところ変わってこちらはとある宴の一席。









複数の大人達に囲まれた中でも、ひとり我関せずとばかりにオレンジジュースを片手に視線をあさっての方向に向けている少年がいた。
一見するとその顔は、ひどく難しい色を浮かべており、不機嫌……年相応に例えるならば楽しくなさそうという言葉がぴったりであった。










そんな少年を気にした、少年のマネージャーが恐る恐るといった感じで言葉をかける。









「飛鷹、どうしたの?やっぱりつまらなかった?」
「いや、別に……こういうの慣れてるから気にすんな」









大人びた口調で答える少年……上杉飛鷹は、視線はあさってに向けたまま、マネージャーの松田に向かって淡々とした答えを返した。
幼少期より芸能界で育ってきた少年は、同世代の他の子供とは明らかに人生経験値が違う。
世間というものを望まずして叩き込まれ、こういう場にも慣れざる負えなかった。









飛鷹は手に持っていたオレンジジュースを一口飲むと、ふぅっと大人がするような深い溜息を吐いた。
どこぞのサラリーマンがするような溜息だったのだが、それを突っ込む者はこの場にはいなかった。
誰も彼も桜は二の次で、宴……というか酒を楽しんでいたからだ。









空いた酒瓶を片手に騒ぐ大人。
人目も憚らず、大の字になって寝転ぶ大人。
頭にネクタイを巻きつけ、箸をマイク代わりに誰に聞かせるともなしに熱唱する大人。
若い女性を複数囲い、まるでキャバクラのような雰囲気をかもし出す大人。
見目のよい男、女に言い寄っている大人。









見渡す限りそんな光景ばかりが繰り広げられていた。
飛鷹はもう一度、先程よりも深い溜息を吐いた。









「情緒のない大人にはなりたくないもんだぜ」









小さな飛鷹の呟きに気がついたのは、隣にいたマネージャーの松田だけだったが、松田は飛鷹にかける言葉が見つからなかったのか、視線を彷徨わせると飛鷹に気づかれない程度に小さく息を吐いた。









「あ!」
「え?何?飛鷹どうしたの?」









少しだけ覇気が宿ったかのような飛鷹の声に松田はすぐ様、反応を示したのだが、当の本人である飛鷹はそんな松田の声が届いていないらしく、ただ一点だけを凝視していた。









「奏江!………と、アレは……黒い悪魔!?」









飛鷹の視線の先にいたのは、桜の色よりも深く衝撃的なドピンクツナギを着た奏江と、飛鷹曰く“黒い悪魔”であるキョーコだった。









































NEXT→Scene.3 とある少女



















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【あとがき】




毎日アップと言ってるそばから一日更新が滞りました。
予想外にネットが繋がらないという事態が起こりまして…
とりあえず今日は実家からアップしてます。


次のタイトルで、誰が主体かは察しがつくかと思います。
蓮キョがまだですみません(><)





作成 2008/03/29
更新 2008/04/01



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