【ひらり、ひらりと】










〜 Scene.7 ○○○はお断り 〜



























「ねぇ、そこのピンクツナギの彼女達。俺たちと一緒に呑もうよ?」
「「は?」」









ラブミーコンビと俗称されるだけあって、こういう状況での二人の呼吸は、一縷の乱れもなくぴったりと重なっていた。
軽々しい態度で声をかけられたので、二人から立ち上る空気はまさに暗黒を現わす禍々しいものだった。









「仕事中ですから」









あっさりと両断したのは奏江。
ナンパなんて低俗なものはお断りよ、とばかりに斬り捨てるその一言に、キョーコが胸をときめかせた事は言うまでもないだろう。









若い男が三人ほど、ピンクツナギを着たキョーコと奏江の前に立ち塞がった。
だが、相手が男だろうが何だろうが、怯まないのがこのピンクコンビ。
怖気もせずにただまっすぐ男達を見据えたその眼光は、あまりに鋭利で強いものだった。









「二人はどこの事務所?LMEかな?二人とも可愛いね」
「ねぇ名前教えてよ?もちろん芸名じゃなくて、本名で!」
「俺達ADなんだ。ディレクターに無理矢理連れてこられたんだけど、ヒマでさ〜〜〜」









口々と軟派なセリフを吐かれ、二人は深く溜息をつきそうになるのを何とか堪え、恐ろしく綺麗な笑顔を見せた。
キラキラとどこかの誰かを彷彿させるような綺麗な笑顔を。









「「お断りしますっ!!!」」









綺麗過ぎる笑顔を前に一瞬怯む男三人だったが、彼らも何だかんだこの世界で生きているので、この位では諦めないらしい。
体勢を立て直すと、今度は個別攻撃をしかけてきた。









「そんな事言わずにさ。いいじゃん、話するぐらい」









と真ん中の男は言いながら、奏江にぐっと近づくが、こういう事態には“慣れている”奏江は、あっさりと回避した。
一定の距離を取り、決してそれ以上近寄らせない。









「君、可愛いじゃん。ちょっとでいいからお兄さん達と遊ぼうぜ?」
「変なことはしないからさ!ちょっとぐらいいいだろ?」









少々強引なのだろう左右の男が取り囲むようにキョーコに近づく。
キョーコも負けじとキッと睨みつけると、キョーコの背から黒くて邪悪なものが立ち上り始めた。










“怨キョ”の出番とばかりに、“怨キョ”斬り込み隊長を一匹右手に掴み投げつけようと振りかぶったのと同時に、その腕を左の男に取られた。

右手を掴まれた瞬間キョーコの脳裏に浮かんだのは、あの魔界人・レイノの薄ら笑いだった。
レイノに捕まってしまった時の状況がフラッシュバックし、キョーコは一瞬、身を竦ませてしまった。









「いい加減にしなさいよ!キョーコに触るんじゃっ」









キョーコの危機を察知した奏江が、相手の男に掴みかからんばかりの勢いで、詰め寄ったのと同時に複数の声が響いた。









「奏江!!」
「最上君!!」
「京子ちゃん!」
「キョーコ!!」
「「「「「京子ちゃん!?」」」」」









現れたのは左から奏江の姿を見つけてやってきた飛鷹。
ラブミーコンビを探していた椹。
キョーコの手伝いをしにやってきた光。
すぐ傍でキョーコが絡まれているのを見て駆け寄って、キョーコの腕を掴んでいる相手の肩を掴んだ尚。
同じくキョーコがからまれているのを見て慌ててやってきた逸美、緒方をはじめとするDARKMOONの面々。
それと尚についてやってきた美森と祥子、麻生。
以上だった。









キョーコへの魔の手は、直接的にはレイノに襲われた時と同様に尚によって救われた。
それから集まってくれた皆によって。









「……コイツに手出しすんじゃねぇ」









尚は鋭く睨みつけながら、キョーコの腕を掴んでいた男の肩に置いた手に力を篭めた。
男はわずかに呻き、キョーコから手を離すと尚を見据えた。









「不破……尚……?」
「………」









名前を呟かれても尚は眉ひとつ動かすことなく、まっすぐに相手を睨みつける。
その鋭利な瞳に恐れを為したのか、男は半歩後ずさった。
そして明らか自分達を取り囲んでいる視線の多さと、その目にやどる気配を感じた男三人は逃げるようにしてその場を去っていった。









男達が立ち去るのと同時に口を開いたのは逸美だった。









「京子ちゃん!大丈夫?」
「あ、だ、大丈夫です!百瀬さん!」









あまりに心配そうな逸美の瞳に驚いたキョーコは、自分は大丈夫だと必要以上のアピールをしたのだが、それは明らかに不審な言動だったので、逸美は僅かに眉を顰めたのだが、とりあえず大丈夫だろうと思ったのか、いつもの笑顔をキョーコに向けた。









「全く世話の焼ける女だな!お前は!」
「なっ!ショ、ショータ……うぐっ……ろ………」









危うく本名を声高に公言されかけたショータローは、キョーコの口を高速で塞いだ。









「てめぇ!いい加減にしやがれ!どれだけ言えば分かるんだ!?」
「うるはいふぁね。ほれよひも、ほの手、ふぁやくはなしてよ!!!」









口が塞がれているので満足に発音できないキョーコだったが、ジタバタともがいてようやくショータローの手から自力で離れた。
身を翻すように離れた為、若干体勢を崩したキョーコはよろめく様に数歩後ろに下がったところで背に何かが当たるのを感じた。













































NEXT→Scene.8 魔界人



















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【あとがき】




ありがちネタです(笑)
今度はモー子さんの得意分野でしたねvv
彼女ならあっさりと優雅にかわせそうですvv


お次はタイトル通りの人々達が登場!


どうぞお楽しみにw






作成 2008/03/29
更新 2008/04/06



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